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2025年12月3日水曜日

【開発秘話】凍結された計画たち:いつか再始動したい「2つの未完プロジェクト」

 

はじめに

 開発者のフォルダの奥底には、日の目を見ることなく眠っている「未完のプロジェクト」が必ずいくつか存在します。

 技術不足、別のプロジェクトへの注力、解決できないバグ……。 理由は様々ですが、それらは失敗作ではなく、いつか再始動するための「種」でもあります。

 今回は、GCS-97で一時凍結(フリーズ)されているものの、今の技術ならリベンジできそうな2つの構想を紹介します。

§1. 領土拡大・育成型RTS『VS.SANGOKU』

一つ目は、国家運営シミュレーションの構想です。

  • コンセプト: 1マスから始まる天下統一
     最初はたった1マスの土地からスタート。施設を建てて資金を稼ぎ、隣接する土地を購入して領土を広げていくゲームデザインでした。

  • こだわりの「階層システム」
     単に土地が広いだけでなく、「村 < 町 < 郡」という行政単位の階層構造をシミュレートする予定でした。 「町の中に村があり、郡の中に町がある」という構造を作り、最小単位である「村」で軍隊を育成して戦闘を行う……という、かなり細かい解像度のRTSを目指していました。

  • 凍結の理由
     当時、疑似選挙シミュレーターである『Game of Civic Strategy』の開発が本格化したため、リソースを集中させるために計画を凍結しました。

  • 今後の展望
     実は今開発している「Python製・地図自動生成エンジン」の「ランク付け機能(市・町・村の自動判定)」は、このVS.SANGOKUの思想を色濃く継承しています。 今なら、当時の構想以上のクオリティで再始動できるかもしれません。

§2. GCSノベリスト専用テキストエディタ

二つ目は、GCS-97の小説部門(暁野 朧)の活動を支えるためのツール開発です。

  • コンセプト: 執筆に特化した俺の最強エディタ 
     既存のエディタに頼らず、自分たちが使いやすい機能だけを詰め込んだ専用ツールです。 テキスト入力機能や、独自の拡張子での保存・読み込み機能までは実装が完了していました。

  • 立ちはだかった壁: 「縦書き」と「印刷」
      
    順調に見えた開発ですが、Wordのような「縦書き表示」と「印刷レイアウト」の実装段階で壁にぶつかりました。 横書き文化のプログラミング言語において、日本語の「縦書き」を完璧に制御するのは想像以上の難易度です。AI(Gemini)と相談しながら解決策を模索しましたが、実装コストが見合わず、進捗が低下したため凍結となりました。

  • 今後の展望 技術力向上により、PDFライブラリの活用や描画エンジンの見直しで解決できる可能性が見えてきました。いつか「GCS公式エディタ」として完成させたい野望は消えていません。


おわりに

 こうして振り返ると、凍結されたプロジェクトにも当時の熱量やこだわりが詰まっています。 特に『VS.SANGOKU』のシステムは、形を変えて現在の開発に活かされています。無駄な開発など一つもない、ということですね。

2025年12月2日火曜日

番外編コラム2 「何を作るか」の決め方~ SAPO流・ジャンルの切り取り術 ~

 「RPGを作りたい」「シミュレーションを作りたい」。ジャンルを決めた後、多くの人が悩みます。「で、具体的にどんなゲームにしよう?」 既存のゲームの真似で終わらないために、SAPO_CREATE_STATIONがおこなっている「焦点(フォーカス)の絞り込み」についてお話しします。

1. 同じ「会社経営」でも、切り口で別ゲーになる

「会社経営シミュレーション」というジャンル一つとっても、全ての要素(人事、営業、開発、買収、インフラ…)を盛り込む必要はありません。むしろ、「どこを捨てて、どこを尖らせるか」が重要です。

SAPOが開発した2つの作品を例に見てみましょう。どちらも「会社経営」ですが、中身は全く別物です。

  • 『Corporate_wars』(前作)

    • ターゲット: 硬派なシミュレーション好き。

    • 焦点: 組織の拡大。

    • システム: 「営業所の設立」や「研究機能」を実装し、企業戦争を勝ち抜く戦略性を重視。

  • 『Regional_Inc』(新作)

    • ターゲット: カジュアル層(優しいUI)。

    • 焦点: 地域のインフラ維持。

    • 引き算: 前作にあった「営業所」「研究」をあえて削除。

    • 足し算: 代わりに「子会社機能」「株価維持」、そして「資源(水道・電気・食料)」の管理を重視。

このように、「今回はここをゲーム化するぞ」というフォーカスを変えるだけで、同じジャンルでも全く新しい遊び体験が生まれます。

2. SAPO流・開発の2ステップ

企画が固まったら、どう作るか。ここでもSAPO流の鉄則があります。

  • Step 1: 「最低限のシステム」だけ作る まずは、そのゲームの背骨となる部分だけを作ります。『Regional_Inc』で言えば、「株価・インフラ・建築」の3つだけです。装飾は後回し。これでゲームとして成立するか確認します。

  • Step 2: 「個人的な面白さ」を足していく 土台ができたら、そこからは趣味の時間です。「ここにこんな機能があったら、個人的に面白いんじゃないか?」という要素を足していきます。 土台がしっかりしているからこそ、後から足すスパイスが活きてくるのです。

まとめ

「何でもできるゲーム」は「何をしていいか分からないゲーム」になりがちです。 勇気を持って機能を削ぎ落とし、あなたが「面白い!」と思う部分だけにスポットライトを当ててください。それが、あなただけのオリジナルゲームになります。

 また、過去のゲームにあった機能がすべて正しいというわけではないと私は考えています。確かに、時間をかけて重要なものは増えてきたと思いますが、すべてを実装することが必ずしも正義にはならないと考えています。自分を信じて、自分が面白いと思ったゲームを出す。それがインディーゲーム開発者の心得かもしれません。

番外編コラム:【実録】SAPO流・コンセプトの「絞り込み」術 ~ 『Corporate_wars』から『Regional_Inc』への進化論 ~

  開発の教科書にはよく「面白い機能を盛り込もう」と書いてありますが、現役開発者SAPOの手順は違います。 重要なのは「どこをゲーム化して、どこを捨てるか」の取捨選択です。

Case Study: 2つの会社経営シミュレーション

 SAPOが開発した2つのゲームを例に、その「焦点(フォーカス)」の違いを見てみましょう。

ゲーム名Corporate_wars (前作)Regional_Inc (新作)
ターゲット硬派なシミュレーション好きカジュアル層向け(優しいUI)
削除した要素-営業所の設立、研究機能
重視した要素総合的な会社拡大子会社機能、株価維持、資源(水・電気・食)

§1. 「何を作るか」ではなく「どこを切り取るか」

 ジャンルを「会社経営」と決めた後、すべての要素(人事、営業、開発、広報…)を入れようとすると、ゲームは複雑になりすぎて破綻します。

  • Corporate_wars: 「営業所」や「研究」など、組織としての拡大を重視。

  • Regional_Inc: あえてそれらを「取っ払う」という決断をしました。その代わり、「水・電気・食料」というインフラ資源と「株価」に焦点を絞りました。

「機能を減らす」ことは「劣化」ではありません。「遊びの味が明確になる」のです。

解像度がガビガビになってるけど、まあいっか...

§2. 最低限(MVP)を作ってから、趣味を足す

開発手順も徹底しています。

  1. コアシステムの構築: まずは「株価・インフラ・建築」という、これがないとゲームにならない最低限のシステムだけを作って動かします。

  2. 「個人的な面白さ」の実装: 土台が動いてから初めて、「これを入れたら面白いんじゃないか?」というアイデアを足していきます。

土台がしっかりしているからこそ、後から足すスパイス(アイデア)が活きてくるのです。

【重要】プロジェクト名称変更のお知らせ —— 「SAPON_CREATE_STATION」へ

 いつもGCS-97ならびに当プロジェクトを応援いただき、誠にありがとうございます。 この度、私が展開するプロジェクトの名称を、以下の通り変更することとなりました。 今回の変更は、今後のさらなる活動の発展と、より一貫したブランドイメージの確立を目的としております。 変更内容 これ...