はじめに
開発者のフォルダの奥底には、日の目を見ることなく眠っている「未完のプロジェクト」が必ずいくつか存在します。
技術不足、別のプロジェクトへの注力、解決できないバグ……。 理由は様々ですが、それらは失敗作ではなく、いつか再始動するための「種」でもあります。
今回は、GCS-97で一時凍結(フリーズ)されているものの、今の技術ならリベンジできそうな2つの構想を紹介します。
§1. 領土拡大・育成型RTS『VS.SANGOKU』
一つ目は、国家運営シミュレーションの構想です。
コンセプト: 1マスから始まる天下統一
最初はたった1マスの土地からスタート。施設を建てて資金を稼ぎ、隣接する土地を購入して領土を広げていくゲームデザインでした。こだわりの「階層システム」
単に土地が広いだけでなく、「村 < 町 < 郡」という行政単位の階層構造をシミュレートする予定でした。 「町の中に村があり、郡の中に町がある」という構造を作り、最小単位である「村」で軍隊を育成して戦闘を行う……という、かなり細かい解像度のRTSを目指していました。凍結の理由
当時、疑似選挙シミュレーターである『Game of Civic Strategy』の開発が本格化したため、リソースを集中させるために計画を凍結しました。今後の展望
実は今開発している「Python製・地図自動生成エンジン」の「ランク付け機能(市・町・村の自動判定)」は、このVS.SANGOKUの思想を色濃く継承しています。 今なら、当時の構想以上のクオリティで再始動できるかもしれません。
§2. GCSノベリスト専用テキストエディタ
二つ目は、GCS-97の小説部門(暁野 朧)の活動を支えるためのツール開発です。
コンセプト: 執筆に特化した俺の最強エディタ
既存のエディタに頼らず、自分たちが使いやすい機能だけを詰め込んだ専用ツールです。 テキスト入力機能や、独自の拡張子での保存・読み込み機能までは実装が完了していました。立ちはだかった壁: 「縦書き」と「印刷」
順調に見えた開発ですが、Wordのような「縦書き表示」と「印刷レイアウト」の実装段階で壁にぶつかりました。 横書き文化のプログラミング言語において、日本語の「縦書き」を完璧に制御するのは想像以上の難易度です。AI(Gemini)と相談しながら解決策を模索しましたが、実装コストが見合わず、進捗が低下したため凍結となりました。今後の展望 技術力向上により、PDFライブラリの活用や描画エンジンの見直しで解決できる可能性が見えてきました。いつか「GCS公式エディタ」として完成させたい野望は消えていません。
おわりに
こうして振り返ると、凍結されたプロジェクトにも当時の熱量やこだわりが詰まっています。 特に『VS.SANGOKU』のシステムは、形を変えて現在の開発に活かされています。無駄な開発など一つもない、ということですね。
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