「RPGを作りたい」「シミュレーションを作りたい」。ジャンルを決めた後、多くの人が悩みます。「で、具体的にどんなゲームにしよう?」 既存のゲームの真似で終わらないために、SAPO_CREATE_STATIONがおこなっている「焦点(フォーカス)の絞り込み」についてお話しします。
1. 同じ「会社経営」でも、切り口で別ゲーになる
「会社経営シミュレーション」というジャンル一つとっても、全ての要素(人事、営業、開発、買収、インフラ…)を盛り込む必要はありません。むしろ、「どこを捨てて、どこを尖らせるか」が重要です。
SAPOが開発した2つの作品を例に見てみましょう。どちらも「会社経営」ですが、中身は全く別物です。
『Corporate_wars』(前作)
ターゲット: 硬派なシミュレーション好き。
焦点: 組織の拡大。
システム: 「営業所の設立」や「研究機能」を実装し、企業戦争を勝ち抜く戦略性を重視。
『Regional_Inc』(新作)
ターゲット: カジュアル層(優しいUI)。
焦点: 地域のインフラ維持。
引き算: 前作にあった「営業所」「研究」をあえて削除。
足し算: 代わりに「子会社機能」「株価維持」、そして「資源(水道・電気・食料)」の管理を重視。
このように、「今回はここをゲーム化するぞ」というフォーカスを変えるだけで、同じジャンルでも全く新しい遊び体験が生まれます。
2. SAPO流・開発の2ステップ
企画が固まったら、どう作るか。ここでもSAPO流の鉄則があります。
Step 1: 「最低限のシステム」だけ作る まずは、そのゲームの背骨となる部分だけを作ります。『Regional_Inc』で言えば、「株価・インフラ・建築」の3つだけです。装飾は後回し。これでゲームとして成立するか確認します。
Step 2: 「個人的な面白さ」を足していく 土台ができたら、そこからは趣味の時間です。「ここにこんな機能があったら、個人的に面白いんじゃないか?」という要素を足していきます。 土台がしっかりしているからこそ、後から足すスパイスが活きてくるのです。
まとめ
「何でもできるゲーム」は「何をしていいか分からないゲーム」になりがちです。 勇気を持って機能を削ぎ落とし、あなたが「面白い!」と思う部分だけにスポットライトを当ててください。それが、あなただけのオリジナルゲームになります。
また、過去のゲームにあった機能がすべて正しいというわけではないと私は考えています。確かに、時間をかけて重要なものは増えてきたと思いますが、すべてを実装することが必ずしも正義にはならないと考えています。自分を信じて、自分が面白いと思ったゲームを出す。それがインディーゲーム開発者の心得かもしれません。

0 件のコメント:
コメントを投稿