前回の「厨房(CPU・メモリ)」の例えが分かりやすかったので、今回もその世界観でいきましょう!
CPUとGPU、どちらも「P(Processing Unit=処理装置)」がつきますが、得意な仕事が全く違います。これを厨房のスタッフに例えると、その違いが一発で分かります。
§1. CPU = 「天才ヘッドシェフ」
前回解説した通り、CPUは厨房のリーダーです。
特徴: どんな難しい注文(複雑な計算)もこなせます。「在庫管理しながら、メニューを考え、お客様のクレーム対応をする」といった、論理的で複雑な作業が得意です。
弱点: 一度にできることは少ないです。手が2本しかないので、単純作業(例:タマネギを1万個みじん切りにする)を一人でやらせると日が暮れてしまいます。
§2. GPU = 「100人のアルバイト軍団」
ここで登場するのがGPUです。もともとは「画像(Graphics)」を表示するためのチップでしたが、最近はAIにも使われます。
特徴: 一人ひとりは単純なことしかできません。「ひたすらタマネギを切る」「お皿を洗う」といった単純作業専門です。
最強の武器: とにかく人数が多い(コア数が多い)ことです。 天才シェフ(CPU)が1個のタマネギを1秒で切るとします。 アルバイト(GPU)は1個切るのに10秒かかるかもしれません。しかし、1000人同時に作業すれば、結果的にCPUより圧倒的に早く終わります。
§3. なぜゲームにGPUが必要なのか?
ゲーム画面を想像してください。画面には数百万個の「画素(ピクセル)」があります。 キャラクターが動くたびに、この数百万個の点の色を一斉に塗り替えなければなりません。
CPUの場合: 「えーっと、右上の点は赤にして、その隣は青にして…」と順番に塗っていくので、間に合いません(カクつく)。
GPUの場合: 「お前ら、一斉に塗れー!」と号令をかけ、1000人のアルバイトが担当エリアを一瞬で塗り替えます(ヌルヌル動く)。
【まとめ】
CPU: 少数精鋭。全体を管理し、難しい判断をする。(OS、事務処理、ゲームの進行判定)
GPU: 人海戦術。単純な計算を大量に同時にこなす。(3D描画、動画編集、AI学習)
クリエイターPCにおいて、「良いグラボ(GPU)を積む」ということは、「単純作業を爆速で片付けてくれる大量の部下を雇う」ということなのです!

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