2025年12月2日火曜日

#1.ゲーム制作のすすめ(「作りたい」を「作れる」に変える技術~ 壮大な夢を、今日着手できるタスクへ ~)

 はじめに

「いつか自分だけのRPGを作りたい」「世界中が遊ぶアクションゲームを作りたい」、またはシミュレーションゲームやカーレーシングゲームを作りたいなど、皆さん思ったことはありませんか?

 その情熱は素晴らしい燃料です。しかし、多くの列車(プロジェクト)は、駅を出る前に燃料切れを起こしてしまいます。なぜか?それは「荷物が重すぎる」からです。今回は、夢を現実に着地させるための「エスコープ(規模)調整」の話をします。

§1.「超大作」という名の落とし穴

「最初から最高のグラフィックで、壮大なストーリーで、オンライン対戦もつけて…」 夢を見るのは自由ですが、初心者がいきなり「FF」や「グランツーリスモ」を目指すのは、免許取り立てでF1レースに出るようなものです。
※もともとプログラムがそこそこ書けたり、絵が得意な場合は時間をかければできるかもしれないですが...
 ゲーム開発やサービスなどは開発時間(それにかかる時間:Time)とゲームのクオリティ(サービスの充実度:Quality)と開発コスト(ゲーム制作で素材を買った場合などの費用:Cost)がだいたいの場合問題になります。

現実: 99%の確率で、完成する前に力尽きます(エターナル化)。

対策: プロの開発現場でも、最初は四角い豆腐のようなキャラが動くだけの「プロトタイプ(試作)」から始まります。まずは「見た目」より「中身の面白さ」を確認しましょう。

§2.引き算の美学(MVP開発)

ここで重要な考え方がMVP(Minimum Viable Product:実用最小限の製品)です。 「これがないと、そのゲームとして成立しない」要素はなんですか?

マリオなら: 「ジャンプ」と「移動」。

‣RPGなら: 「移動」と「戦闘」。

シミュレーションなら: 「パラメータの増減」。

例.車を作りには何が必要?

 それ以外の「装備システム」「複雑なスキルツリー」「豪華なオープニングムービー」は、一旦すべて捨ててください。これらは後から乗せる「飾り」です。まずは、装飾のない土台だけで遊べる状態を目指しましょう。


§3.全体像を決める(部分に分けて開発)

 頭の中だけで考えると、妄想は無限に膨らんでしまいます。 テキストファイル(メモ帳)やノート1ページに、以下の3点を書き出してください。

  1. プレイヤーは何をする?(例:敵を避けてゴールへ向かう)

  2. どうなったらクリア?(例:右端の旗に触れる)

  3. どうなったらゲームオーバー?(例:穴に落ちる)

これだけ決まっていれば、開発という旅に出発できます。


【まとめ】

 まずは「1週間で作れる簡単なゲーム」を完成させてみてください。未完成の超大作より、完成したクソゲーの方が、クリエイターとしての経験値は100倍高いのです。

0 件のコメント:

コメントを投稿

【Pythonゲーム開発 】#4.ゲームの心臓「メインループ」を作ろう(QTimer編)

 はじめに  前回、画面に四角形を描くことができましたが、まだ動きません。 ゲームとは、パラパラ漫画のように「少しずつ動かした絵」を高速で切り替えることで成立しています。多くの初心者はここで「while Trueループで回せばいいんでしょ?」と考えますが、GUIアプリでそれをやる...